ランチェスターの第1法則は「一騎打ち戦」
今回はランチェスターの第1法則についてお話しします。
まず、タイトルに「第1法則は一騎打ち戦」としましたが、「一騎打ち戦」である理由を説明いた
します。
一騎打ち戦というと「戦国時代」などを連想されると思います。戦国時代の主力兵器は槍でし
た。槍で戦う場合は兵士が槍を持って横に並び、合図と共に一斉に敵に向かって突っ込んで
いきます。当時は武器性能が大差なく同レベルの槍の場合は、敵味方とも同数の戦死者が出
ます。
具体的に数字で説明しますと、200人と80人が戦い、80人側が全滅するまで戦うとしたら、
200人側も80人の戦死者が出て、損害の出方は1対1と同じになるのです。次に300人と80
人で戦った場合も、やはり双方の損害は80人ずつとなり1対1です。
これは歴史上の戦いでも検証でき、明智光秀は天王山で豊臣秀吉と決戦をし、秀吉軍の3
万5000人に対して光秀の軍は1万6000人で秀吉が勝利したのですが、戦死者の数は両軍
共3000人だったそうです。つまり兵士の数は光秀の兵士のおよそ倍の秀吉軍でしたが、損
害としては1対1なのです。飛行機で戦った場合も、槍や機関銃を使わない体当たりの空中戦
では損害は同じく1対1なのです。
このように、槍や刀や機関銃といった射程距離が短い兵器を使って戦う「接近戦や体当たり
戦」になると、初期兵力数に違いはあっても、戦死者や損害の割合は1対1で同じになる…こ
れが第1法則なのです。
ランチェスターの第1法則を経営にどう生かせるかは、次回にご説明いたします。