[京都]ご夫婦で営む居酒屋「風来坊」[会社設立]
前年同月比 平日来店客数140%UP 月商128%UP
八木時雄税理士事務所/相模増販情報センター マーケティングアドバイザー 小池孝之(神奈川県相模原市)
昭和59年に橋本駅前でお店を開業後、料理の味と安さでファンを増やしてきた「居酒屋風来坊」。平成9年に橋本駅前開発により、現在の場所に移転した後、駅前には大手居酒屋チェーン店が増え、競争が激化しています。また、飲酒運転、駐車違反等の取締強化により、お店でお酒を飲む人も減少しています。これらの煽りを受けて、近年売上高が減少の一途を辿っており、社長と奥様は頭を抱えていました。特に平日の来店客数は顕著で、金曜日、土曜日の来店客で一月の売上高をカバーしている状況でした。そこで、当事務所(八木時雄税理士事務所)で増販増客の個別支援をさせていただきました。
お店の現状からC(コンセプト)とT(ターゲット)を設定
まずは、お店の現状を把握するために、顧客調査、周辺調査、アンケート調査を行いました。その結果わかったことは下記の通りです。
①客層は40~60歳代の男性客が多い。
②平日の来店客数が少ない。
③周辺に事業所が多く、世帯数も多い地域である。
④立地が悪いと思われていたが、お店の前の道は周辺住民の帰宅ルートで通る裏道になっていた。
⑤味、量で料理の人気が高い。
これらの調査結果から、お店の状況を踏まえ、コンセプトとターゲットを設定しました。
金曜日、土曜日の来店客は多く、平日の来店客数が減少していることから、平日のお客様を増やすことを目標にしました。調査結果を踏まえ、ターゲットは既存の40~60歳代の男性客の客層をさらに絞り込み、近隣の事業所、住民で「仕事終わりの男性会社員」とし、新規で来店しもらうことを検討しました。
アンケート結果によると料理の評判が良かったため、この強みを生かそうと考えました。新メニューは、既存メニューの組み合わせでできる「定食」や、1人でも食べきれる量の「小盛サイズ」の考案。コンセプトは「仕事終わりに1人で立ち寄れて、ゆっくりおいしい料理が食べられる居酒屋」としました。
労力とコストを抑えたP(プロセス)T(ツール)
「増販の3原則」を軸に、お客様にお店を知ってもらい(誘客)、もう一度来店してもらい(再来店)、「風来坊」のファン(頻客化、固定客)になってもらうシナリオを設定しました。
まず「誘客の法則」。ターゲットを近隣事業所、近隣住民と絞り、ポスティングとティッシュ配りを行いました。ティッシュ配りは、競合が多く既にティッシュ配りも行われている駅前ではなく、お店の方角に歩く人が多い地点に絞って行いました。
次に「再来店の法則」。既存のポイントカードと共に、「プレゼント感謝イベント」を行いました。これは期間限定でプレゼントを用意し、お店の各テーブルに備え付けている「応募券」にお名前、年齢、住所を記入していただき、応募箱に入れてもらうイベントです。後日、当選DM、はずれても200円の割引券付きDMを送り、そのDMを持って再度来店してもらう流れです。当初、社長と奥様は「個人情報は教えてもらえないよ」と心配していましたが、お客様に喜んでもらいながら自然な形で「顧客名簿」を作成できました。
あまり応募券の回収が進まないときは、フロア係が口頭で「プラス一言」をしました。これにより応募券の存在に気づかなかったお客様にも応募いただき、コストをかけずに応募券の回収率がアップしました。
最期に「頻客化の法則」。「風来坊」のファンになってもらったお客様に、季節の宴会コースのお知らせDMを送ります。狙いは、ファンのお客様に新規客を同伴してもらうことです。新規来店客にプレゼント応募券を記入してもらい、再来店を促し、ファンになってもらうという居酒屋「風来坊」のファンが増え続ける仕組みを構築しました。
DMの反応を上げるために社長と奥様は、宴会のメニューや価格が載ったハガキサイズのカードを作成し、お店に設置しPRしました。その結果、宴会の予約がさらに増えています。
季節に応じた増販カレンダーの作成
増販カレンダーは「プレゼント応募イベント」と「宴会コース」の2種類があります。どちらも季節や行事にあわせ作成しましたが、プレゼントは旬の食材、年中行事に合わせ考案しています。具体例としては新米あきたこまち2kg、期間限定辛口にごり酒、鼻毛カッター等です。基本的に既存仕入先を替えずに、仕入れているこだわりの食材やお酒、価格はそれほど高くないですが男性が持っていると便利と感じてもらえるもの等をプレゼントしようと考えています。またこれらはお客様とのコミュニケーションにも役立っています。
宴会コースは年間行事に合わせ設定しています。忘新年会、歓送迎会はもちろん、季節に応じたメニューを宴会コースに入れ、金額、メニューを明確にしました。また、お二人で準備するのも大変ですから、これらをカレンダー化することで、役割分担やスケジュール管理にも役立っています。
注目の成果
これらの企画を実践した結果、前年同月比で平日来店客数140%増、月商128%増を達成しました。顧客名簿も着実に増えています。アンケート実施や個人情報の取得に関し、お客様が書いてくれるか心配だった社長と奥様ですが、快く書いてくれて驚きだったそうです。
さらに現在、こちらがお勧めしなくてもお店自体で企画を立て、実践するようになっています。
宴会コースの反応を上げるために、点等で宴会コースのカードをお客様に直接手渡したり、増販カレンダーの内容もご自身で決められるようになっています。お店自体がマーケティング体質に変わってきていると思います。
今回の売上増のポイントは
「お店の強み・武器を最大限に生かし、労力とコストを最小限に抑える(ローリスク・ローコスト)」
「できることをやってみる」
ことだと思います。やはりお店で人的にも資金的にもできないことをやっては危険ですし、できないことをこちらから勧めても仕方ありません。社長や奥様、スタッフの方と一緒に考え意見を出し合い、検討に検討を重ね、共通認識の基でしっかり実行したからこそ良い方向に向かったのではないかと思います。
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