【京都】売上減少傾向から、徐々に回復傾向へ［会社設立］| 京都設立アントレセンター

【京都】売上減少傾向から、徐々に回復傾向へ［会社設立］

不況の中、ファン客の心をしっかりつかんだ居酒屋『司』

株式会社アーツ企画部課長永井久雄（大阪府吹田市）

大阪府吹田市の住宅地の中で地元に愛され、旬の鮮魚と料理の味に定評のある居酒屋『季節料理司』。

最近、大手居酒屋チェーンの値下げ競争が激化している中、お店の売上高は減少の一途を辿っており、ここ数年の売上は、前年度割れする状況が続いていました。ご主人と奥様はこの先不安だと嘆いているほどです。

この流れを止めるために、私達は今、何をすべきなのか？まずはお店の特徴を把握することから始めました。

その結果、温もりある雰囲気と落ち着いた店内、他店には決して負けない料理人として確かな腕、この味で馴染みのお客様の舌も心もしっかりと掴んでいる事が分かりました。

ただ、大手居酒屋チェーンと同じ土俵で勝負しても、客単価は下がる一方で何も解決に繋がりません。まずは、常連客の来店頻度アップと常連客と同伴するご新規客の囲い込みが売上回復になると思い、4つの施策を考えました。

１.『司倶楽部』と銘打ってファン客の獲得と顧客情報収集

お店のファン客を獲得するためにお店からの耳寄りな情報や特典ありの『司倶楽部』を作り、会員募集を行っています。携帯電話を使ったQRコードからの申込方法とアンケート用紙に記入する申込方法の2種類のパターンを用意しました。

次に、申込率を高めるため、申込いただいた方には、その日のドリンクを1杯無料サービスにしました。さらにアンケート用紙からメルアドを収集するための記入方法にもちょっとした工夫をしてみました。

お陰で顧客からのメルアドもスムーズに収集でき、顧客の趣向等、今後の販促支援に繋がるしっかりとした顧客情報も獲得できています。今後、顧客にパーソナライズしたご案内を提供することも考えています。

２.「こだわり通信」ニュースレターを毎月発行

お客様にもっともっとお店の良さを知ってもらうコミュニケーションツールとして、さらに店主やお店のブランディング力を高めるために毎月1回ニュースレターを発行し、店内に掲示することにしました。

ニュースレターの内容は、お店の情報や、料理、お酒や肴のうんちく、店主のパーソナルな情報も盛り込んで、より身近に感じていただき、来店頻度をアップさせる事が狙いです。

まだ始めたばかりですが、お店に宴会の予約が入ったり、ニュースレターの記事でお客様と話が弾んだりと、お店とお客様の距離がますます近づいた感じです。

３.携帯メールで旬の鮮魚をご案内

一般的に「24時間365日30センチ以内にある」と言われる携帯電話の利点を活かし、携帯メールで当日の旬の鮮魚をご案内しています。『本日の仕入れ』と題して、数量限定、売り切れご免の旬の肴を、仕入れたその日のうちに携帯メールを送信します。そのリアルタイムさがお客様にも大好評です。

また誕生月には、バースデーメールを配信し、お誕生日の特典も付けています。その結果、誕生月の顧客にメール配信を行うと誕生月の顧客の来店率は、多い時では30％以上ありました。もちろん、ご新規のお客様も同伴されるので、結果的に増販増客に繋がっているのは言うまでもありません。

４.目に飛び込んでくる看板でランチのお客様を獲得

お昼のランチメニューは、魚料理が評判で、メニューの種類と味では、近隣のお店に引けを取りません。ただ、メニュー表は、玄関前にホワイトボードを出しているだけなので、一見のお客様はなかなか気づきません。昨今、目の前のコンビニの影響でお昼も苦戦を強いられています。

そこで、店の前を通る人達に『美味しそう、これ食べたいな』というインパクトを与えよう！ということで目立つ看板を設置しました。

メニューの豊富さと美味しさを視覚で伝えるために各メニューの画像を多く用いてみました。予想通りご新規客が来店、『司』のファンが増えました。また、従来の遠のいていた顧客も戻ってきました。看板は、簡易に設置できる布地に印刷したもの（バナースタンド）にしているのでお昼と夜間の内容を変えて玄関前に目立つように設置しています。

以上の4つの施策の結果、前年売上から毎月2割減が続いていましたが、昨年同月比107%を達成し、徐々に回復傾向にあります。

今後は、CTPTマーケティングをフルに活用し、増販増客に繋がる施策を考え、地域に愛され続けるお店として引き続き支援していきます。